サイトホーム
« 羽田発日航機与圧系統不具合で緊急降下 | メイン | 月刊エアライン9月号発売 »

July 26, 2005

日航機、逆噴射装置が作動しない状態で運航

羽田発新千歳行きの日本航空1001便(ボーイング777―300型機、乗客・乗員計284人)が24日、エンジンの逆噴射装置が作動しない状態で運航していたことが26日、分かった。国土交通省は日航に対し、文書で厳重注意。日航は「事業改善命令を受け安全再建に取り組んでいるさなかなのに申し訳ない」と話している。

 日航によると、同機は今月19日から23日にかけ、子会社が塗装作業を行った。作業中の安全のため、子会社の整備士は逆噴射装置が作動しないようロックしたが、別の整備士が作業終了後に解除するのを忘れた。 逆噴射装置をロックした場合、目印の赤い吹き流しを機外から見えるよう取り付けることになっているが、今回は塗装の邪魔になるため機内に収納していたので気づかなかったという。

 同機は午前6時半ごろ羽田を出発、ほぼ定刻通りの午前8時ごろ、新千歳空港に到着した。日航は「悪天候だったとしても新千歳の3000メートルの滑走路では逆噴射なしで安全に着陸できた」と説明している。ただ、滑走路が短く悪天候だった場合、着陸時に滑走路からはみ出した可能性もあるという。

この記事を見ると、理由がどうであれ「逆噴射装置をロックする場合は目印の吹き流しを取り付ける」という守るべき手順をを怠った事によるものだろう。別に航空機に限らず、機械の点検・修理などの場合は、稼働部が動いてしまい作業者が巻き込まれることを防止するために、稼働部をロックすることは行われるが、稼働部をロックしていることを関係者が認識していること、作業終了時にはロックを解除することは忘れてはならないのは当然のことだろう。

また、仮に作業した整備士が忘れたとしても、最終確認の整備士、運航前点検を行う整備士、さらに機外点検を行う運航乗務員の誰か一人でも発見していたら、実際に逆噴射装置を作動させても(操縦室でスラストリバーサーレバーを操作しても)動作しないということは起こらなかった。これがギアピン(地上で間違って脚がたたまれないように差し込んでおくピン)であれば、「コックピットチェックリスト」と呼ばれる出発前の運航乗務員の点検作業に含まれている(概ね同チェックリストの2番目くらいにあることが多いようだ)ので、ピンを抜き忘れたまま離陸して、いざ脚をたたもうと思ったらたためなかったということは起こらない。

操縦に関することはよく書籍や雑誌でも紹介されるので分かるが、整備に関してはあまり話題になることが少なく、部外者にとって正確な情報が得られることは少ないが、何重にもわたるチェックや動作チェックなどが必要であろう。

また少し話は変わるが、今回は3000m滑走路への着陸(しかも冬ではない)のため、大事には至らなかったが、これが滑走路の長さが十分ではなく、かつ酷暑時や降雪時の離陸中止(例として「石垣空港(滑走路長1500m)でのジェット機の運航や富山空港(滑走路長2000m)でのB777型機の運航)などであったら無事に済んだかどうか?今回はたまたま条件が良かったので事故にならなかったのであり、当事者が「悪天候だったとしても新千歳の3000メートルの滑走路では逆噴射なしで安全に着陸できた」というのは禁句ではないのだろうか?

投稿者 kokuitten : July 26, 2005 09:08 PM

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://WWW.kokuitten.com/travelbyair/mt/mt-tb.cgi/67

コメント

コメントしてください




保存しますか?